オンラインツアーとは?始め方や成功させる3つのポイント

新型コロナウイルスの影響により、観光産業は厳しい状況が続いています。
そのようななか、2020年ごろより注目を集めているのが、自宅から参加できるオンラインツアーです。
観光庁でオンライン技術を使ったツアーやイベントを推進していることも相まって、オンラインツアー事業は今後も発展すると考えられています。[注1]
そこで今回は、オンラインツアーの始め方や成功させるポイントを解説します。
オンラインツアーの概要

オンラインツアーとは、PCやスマートフォンから現地の様子を楽しめる疑似旅行です。
録画した動画、あるいはリアルタイムのライブ映像をオンラインツアーの参加者に届けます。
現地ガイドへの質問も可能で、まるで本当に旅行へ行ったような疑似体験を楽しめることが魅力です。
参加者は基本的には端末とインターネット環境があればよく、子育て中の人やペットを飼っていていて旅行が難しい人も気軽に参加できます。
ライブ映像でオンラインツアーを開催するには、インターネット環境やPCのほかに、ビデオ通話のできるアプリケーションやシステムが必要です。
一般的には、Web会議システムと呼ばれるシステムを利用します。

国内オンラインツアーの事例
新事業としてオンラインツアーを検討するうえで、事業展開の進め方や顧客へのアプローチの方法など、不安な面も多いでしょう。
ここでは成功へのヒントとして、実際のオンラインツアーの事例を紹介します。
琴平バス社
琴平バス社は高速夜行バスや空港シャトル、路線バスなど幅広い運行事業を営む企業です。同社は新型コロナウイルスの影響により観光者が減ったことで、ほぼ全てのサービスが停止に追い込まれてしまいました。
従来のバスツアー事業は観光地に訪れる人向けに特化したものであったため、オンラインバスツアーを企画して開催しました。
シナリオ作成を工夫し、Web会議システムを用いて臨場感ある企画を展開しています。琴平バス社では観光地に着くまでのバスの様子やサービスエリアでの休憩など、バスに乗って参加しているリアリティーが感じられる工夫をしています。
Web会議システムでリアルタイムにやりとりできるため、参加者同士のコミュニケーションも可能です。
Cerca Travel社
京都の旅行コンサルティングを手がけるCerca Travel社は、とくに女性の一人旅に力を入れてツアーを企画していました。
しかし、新型コロナウイルスの拡大により海外からの観光客が激減してしまいます。
その対策として、京都の観光地や旅館、店舗を巡るオンラインツアー事業を開始します。
解説を入れたりバスガイドを起用したりしてスマートフォンから無料配信し、SNSで評判が広がりました。
顧客の要望から、ライブ配信だけでなく映像制作をおこなって録画した動画の配信を開始します。
一般の観光客だけでなく、修学旅行用の映像制作も依頼されるようになったことで、新たな事業の柱として動画部門を成長させることができました。
参考:動画配信、オンラインツアーをきっかけに映像制作事業を始めた企業|経済産業省
海外オンラインツアーの事例
大手旅行会社では、海外旅行を自宅で楽しめるオンラインツアーを展開しています。
Web会議システムを利用し、従来の海外旅行のように現地ガイドと観光地や店舗を回ります。
海外オンラインツアーの魅力は、人気の観光スポットや日本国内では観られない希少な野生動物や風景を見ることができることです。
実際の海外旅行では行きにくい森やジャングルでも、オンラインツアーなら安全かつ気軽に楽しめます。
参加費の一部を保護活動に支援したり、観察しながらガイドに質問したりと特別感のあるツアーにすることも可能です。
オンラインツアーの始め方と必要な準備

オンラインツアーは、従来型のツアーと比較して主催者の手間が少ないことがメリットです。
しかし、インターネット環境が不安定だったり、手順が疎かになっていたりすると失敗の原因にもなります。
ここでは、オンラインツアーを開催するうえで、必要な準備と始め方を紹介します。
オンラインツアーで必要な準備
オンラインツアーで準備する必要のあるものは、以下のとおりです。
- インターネット環境
- Web会議システム
- マイクやカメラなどの映像機器
ライブ配信をする場合は、安定したインターネット環境が必要です。
オンラインツアーの途中で映像が乱れたり、音声が途切れたりすることのないように、インターネット環境を準備しましょう。
また、オンラインツアーを実施するときに重要なのが、ライブ配信のベースとなるWeb会議システムです。
通信が不安定だったり映像が荒かったりすると、どんなによい企画でも評価されません。
Web会議システムによって、参加可能人数や時間制限、機能に違いがあります。
企画したオンラインツアーの内容に合わせて、Web会議システムを選びましょう。
Web会議システムで必要な機材について、こちらの記事でも紹介しています。
オンラインツアーの始め方
オンラインツアーを始めるときは、一般的に以下の手順で進めます。
- オンラインツアーのシナリオを企画する
- 企画に適したWeb会議システムを導入する
- インターネット環境や機材の準備をする
- オンラインツアーの告知や宣伝をする
従来型のツアーと同様に、オンラインツアーも企画が重要です。
何を、どのように見せれば参加者が満足するかを熟考し、シナリオを作成します。
オンラインツアーを実施するときは、企画の告知や宣伝も十分におこなう必要があるでしょう。
オンラインツアーに抵抗が少ない年齢層をターゲットに、SNSを中心に宣伝するのがおすすめです。
オンラインツアーを成功させる3つのポイント

オンラインツアーは、従来型ツアーと比較して低コストで実施できるため、新事業としては低リスクなことが特徴です。
しかし、利用するシステムの導入やツアーの企画など、従来型ツアーとは仕様が異なります。
そこで、オンラインツアーを成功させるために抑えておきたい3つのポイントを解説します。
1. 臨場感を体験できるツアーを企画する
オンラインツアーを成功させるには、現地にいるようなリアリティーや臨場感を演出することがポイントです。
映像を見せるだけだったり、一方的にガイドが話したりすることは避けたほうがよいでしょう。
参加者からの質問を受け付けたり、参加者同士がコミュニケーションを取ったりできる仕組みづくりが重要です。
また、オンラインツアーならではの工夫も入れるとなおよいでしょう。
たとえば、ドローンを使用して空中からの映像をリアルタイムで配信したり、従来型のツアーでは行けなかったり、入れなかったりする場所を案内したりするのがおすすめです。
2. ターゲット層に合わせた集客方法を選ぶ
オンラインツアーを開催するときは、集客方法にも工夫が必要です。
SNSやインターネット広告を活用して集客しましょう。
SNSを恒常的に利用するユーザーであればオンラインに対する抵抗も少なく、オンラインツアーにも比較的に興味を抱きやすいでしょう。
また、ある程度の集客が見込めるなら、インターネット広告を出すのも一つの方法です。
3. 最適なWeb会議システムを選ぶ
オンラインツアーを成功させたいなら、Web会議システムの選択も重要なポイントです。
Web会議システムのなかには、通信状況が不安定になりやすかったり、参加人数や時間に制限があったりするものもあります。
機能もそれぞれ異なるため、企画したオンラインツアーに適したWeb会議システムを選択する必要があるでしょう。
オンラインツアーにおすすめのWeb会議システムは、次のとおりです。
- Zoom
- Calling
- Google Meet
- Skype
無料プランでは時間制限や人数制限があるため、いずれのWeb会議システムも有料プランを選択しましょう。
また、画面共有機能やリアクション機能、テキストチャット機能があるとオンラインツアーにも活用できます。
参加者がリアリティーを感じやすいように、参加者が発言、リアクションしやすい機能が付いたものを選びましょう。
Web会議システムについて、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
オンラインツアーを成功させたいならWeb会議システムの選び方が重要
2020年ごろから徐々に普及したオンラインツアーサービスは、疑似旅行ができるとして注目を集めています。
オンラインツアーを成功させるポイントは、次の3つです。
- 臨場感を体験できる企画
- ターゲット層に合わせた集客をする
- 企画に適したWeb会議システムを選ぶ
オンラインツアーで利用するWeb会議システムは、どんなものでもよいわけではありません。
企画内容を十分に発揮できるツールを選びましょう。
[注1]「来訪意欲を増進させるためのオンライン技術活用事業」の公募|観光庁
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